こんにちは!
いつもブログをご覧いただきありがとうございます^^
女性ホルモン専門家の西村です。
昨年あたりから、ずっと考え続けていることがあります。
正確にいうと、私は物心ついた頃から、ずっと“こんなこと”をひたすらに考えながら、その度にそのときそのときで納得できる答えを導き出しては人生を歩んできたように思います。
それが、
「人生とは?生きるとは?幸せとはなんなのか?」
ということ。
この問いの答えは、当たり前に人の数だけあって、さらにそのときの年齢や状況、感情などによっても変化するものだと思います。
私は昔から、答えのない問いを考えることが好きで、答えなんてないからこそ、自分なりの答えを創り出すことに意味を感じたりしています。
誰かと比べる必要もないし、評価も必要ない。
でも、自分の心にだけは嘘をつかないということが、ただ考えるだけで終わりにせず、人生を自分らしく前に進めていくコツかななんて思っています。
特に娘が生まれてからの、2021年以降は【あっという間に1日が終わること】にモヤモヤするようになりました。
昨日、何をして、何を食べて、どんな気持ちで過ごしたかすら覚えていないほど、毎日が慌ただしく過ぎていく。
それでも、我が家は夫婦ともに自営業なので、家事育児は全て2人でやっているし、仕事も交代で時間がとれる。
家族団欒の時間もたくさんあるし、曜日を気にせずお出かけできる点も、きっと世の中と比較をすれば恵まれている方なのだと思います。
そして、毎日が幸せだな〜と感じているのも決して嘘ではありません。
でも、だからこそ、「幸せだし、恵まれているのに、不平不満を感じてはいけない」と自分の心の声に蓋をしていたように思います。
何より、娘と遊んでいる時でさえ、スマホを見たり気にしていたり、頭の中で仕事のことばかりを考えていたり、「今ここにいない」感じが本当にしんどくて。
仕事は大好きだけど、なんていうか、心ここにあらずになりがちな日々の「暮らし方」と「心の余裕のなさ」に問題があるのだと思います。
ふと、このままの毎日を過ごしていて、いったい私はどこに向かっているのだろうか?
と思ったんですよね。
好きな仕事をして、時間もお金も自由で、家族の時間もある。
恵まれれば恵まれるほど、感謝しなければいけない、不満を持ってはいけない、と自分自身を縛りけてしまうことがあることを実感しました。
そして、私は自分の中にあるモヤモヤの正体に気づいたんです。
確かに、私は幸せだ。
でも、もう自分個人の幸せを追求することにはあまり価値を感じなくなっていました。
自分も幸せ、家族も幸せ。
でも、この地球上に暮らす人や動物、植物などすべてを含む幸せはどうなんだろう?
飢餓、貧困、児童労働、アニマルウェルフェア、気候変動、海洋汚染、エネルギー問題・・・
その他たくさん。
問題や課題は山積みなのに、「自分だけが幸せ」って本当に起こり得るのだろうか?
と。
確かに、私が大切にしている信条は、「まずは自分を大切にする」ということだったりします。
しかし、今の私は、地球の幸せなくして、自分の幸せはないのだと思うようになっていることに、私自身も最近気づいて腑に落ちました。
それが、先日のブログにも書いた「プラネタリーヘルス」という考え方です。
現代の大量消費、利便性、効率化、超高速ライフスタイルの先に、本当に私が望む幸せはあるのか?
そんな疑問がふつふつと湧き出して、いつの間にかとめどなく思考や心を占拠するようになり、
「あ、もう無視することはできないな」
というところまできたようです。
そう、私が登っている山にはまだまだ先があることに気づいてしまいました。
そして、自分が生きているうちに頂上にたどり着くことはないのかもしれない。
ということにも気づきました。
私がやりたいことは、個人の幸せを超えたところにあって、それはきっと壮大で深淵で、そして困難な道なのかもしれない。
でも、人生をかけて挑戦する価値はあるし、未来の世代にバトンを手渡せるような生き方こそが私にとっての幸せなのだと直感的に思ったのです。
そして、今世では辿り着けないからこそ、ただ頂上を目指すのではなく、その道のり、旅路にある景色をもっと味わいたい。
SNSやネットの中の世界に踊らされず、実際に起きているリアルな世界を感じたい。
そんなことを強く感じるようになりました。
そんなことを考えている時に出逢ったのが、こちらの
「スローフード宣言 食べることは生きること」
という本です。
「この本でお伝えするのは、食べることが人の暮らしと世界にどのような影響をもたらしてきたか、そして、その道筋を変えるために私たちにできることは何かということです。
参考文献を並べた学術的な物ではありません。すべて、実体験からお話しします。食べることは、生きること。これが私の人生を導く哲学なのです。
スローフード宣言 食べることは生きること「はじめに」より
こちらの本は主に「食べること」についての内容ですが、その考え方や価値観は「生き方」そのものに繋がっている内容です。
本文から印象に残った文章をいくつかピックアップしたいと思います。
「安さ」という価値観を大事にしはじめると、その影響力は、食べ物にどうお金を使うかだけにとどまらなくなります。安さに気を取られると、それがどれだけ長持ちするか、どんな品質のものであるかが気にならなくなるのです。(中略)商品が安ければ、使い捨てればいいのだから。
農務省の統計によると、毎年、米国では、供給される食料の30%〜40%が廃棄されています。この国でお腹を空かせている人がどれだけいるかを思うと悲しくなります。また、同じ農務省の最新の報告では、食べるものに困っている人が3500万人います。
ゴミ箱も、埋立地も、廃棄食材で埋まり続けています。
もちろん、食材だけではなく、買い物をして地球の裏側から送られてきた箱や緩衝材も山積みです。
「去る者日々に疎し」つまり、見えないものは知らないという心理が、私たち皆の中にあります。
「多いほどいい」は、どこまでいっても十分ではないという感覚を前提に成り立っていますが、根っこにあるのは欠乏への恐れです。そして、ファストフード文化はこの不安を、存分に利用するのです。
スピードは、ファストフード的価値観のエンジンとして、その他すべての価値観を加速させます。
速ければ速いほどいい、注文すればすぐ入手できる、欲すれば即与えられる・・・・。
スピードという価値観のもとでは、すぐに満足を得ることができないと欲求不満になります。機が熟す時間も振り返りの隙間もなく、我慢もありません。
求める気持ちばかりが超高速で動き、注意力は散漫になりました。まるで、私たち皆が、物事には時間がかかることを忘れてしまったように。食べ物を育てる、言語を学ぶ、事業を興す、誰かと深く知り合うなど、素晴らしいことのは特に時間がかかることも、わからなくなってしまったのです。
時は金なりと言いますが、時間が本当にお金に換算されはじめると、多くのことが意味を失います。私たちの仕事もその一つです。
などなど、食をはじめとした、現代人に染みついたファストフード的価値観が、私たちの健康のみならず、この地球にどんな影響を与えてしまっているかが分かりやすく書かれています。
まさに、私が感じていたことそのものでした。
あなたはどうでしょうか?
気がつけば四六時中SNSを開き、目につく投稿に一喜一憂して、誰が作ったかもわからない食事を胃袋を満たすためだけにテレビを観ながら、スマホを観ながら食べ、安いという理由で服や物を選び、ダメになったらまた買い替えて、スマホの中に情報を求めて頭の中は情報過多でパンク寸前。
わざわざ会話を交わさなくても、近況は勝手に情報として飛び込んできて、自分と比較しては羨んだり、優越感に浸ったり。
毎日寝る直前までスマホとにらめっこ。
寝る時になって、今日何を食べて、誰とどんな会話をして、どんな景色を見て、何を感じて過ごしたか?
を、思い出そうとしても思い出せない。
思い出すのは、SNSを通した自分と誰かの比較だけ。
そんな毎日を過ごしていませんか?
これらの例えは大袈裟かもしれませんが、現代人は少なからず、こうした毎日に近い日々を過ごしているのではないかと感じています。
お金も、SNSも、溢れる情報も、人が主体となり活用するのが本来の形であって、これらに支配され依存するのは違います。
私はこんな毎日が違和感でしかなくなり、今後もこの延長線上を生きていきたいかと言ったら答えは「NO!」でした。
もっとゆっくりと丁寧に、ただ太陽の光を浴びて、風を感じて、目の前にいる人と心を通わせて、一瞬一瞬を感じながら生きたい。
そして、自分の健康や幸せにとどまらず、プラネタリーヘルスを考えた時に、まずできること、取り組みたいと心から感じたことが、スローフード&スローライフの実践でした。
紹介した本には、後半にスローフードの価値観や実践法についても書かれていますので、興味があれば読んでみてくださいね♪
もちろん、バランスが何より重要^^
仕事を辞めるわけではないし、スマホだって必要だし、SNSだってみる。
バランスをとりながらも、私は生きるスピードを少しスローダウンすることに。
物を減らして、情報を減らして、やるべきことを減らして、シンプルに、丁寧に毎日を紡ぐ。
地球の裏側で起きていることに思いを馳せて選択を重ねる。
そんな生き方をこれからは実践していきたい。
どこにも辿り着かないかもしれない。道半ばで終わるかもしれない。何も成さないかもしれない。
それでも、目まぐるしく日々が過ぎて、気づいたら最期の日になっていたという人生よりはずっといい。
そんなことを考える近頃です。
地球の幸せと私の幸せは切り離せないものだったんだ。
そして、未来の子どもたちにこの地球を返していくためにできること。
プラネタリーヘルスという考え方を土台に、シンプル、スローダウン、ナチュラルにスローフード&スローライフを実践する。これが私の在りたい生き方なんだというのが現時点での私が導き出した「解」。
きっと、私以外にも、現代社会の目まぐるしい超高速な社会システムや生き方、なんでも簡単に安く、大量にすぐに手に入るファストフード的価値観に違和感を感じている人はいるのではないでしょうか。
あなたは、そんなに駆け足でどこへ向かっていますか?
女性ホルモン専門家
西村留美